日本製水洗いレジンに顔料などを混ぜこんだ際の造形をご紹介いたします。
この日本製水洗いレジンの特徴は
・低アレルゲン
・低刺激、低刺激臭
・IPA、エタノールによる洗浄不要
などの従来の光造形用レジンの抱えていた問題を解決出来る製品ですので、
最近盛んになってきているものづくり施設や有機溶剤を扱えない環境、
学校や子供などにも安心安全に使用する事ができます。(詳細はこちら)
販売はこちら→https://nssngt.com/shop/products/list?category_id=9
この水洗いレジンは高い感度ゆえに低価格造形機や短い照射時間で造形出来るのも特徴の一つですが、感度が高いのでレジンに様々な混ぜものをして造形することも可能です。
今回は下記を混ぜて出力してみました。
・レジン専用顔料
・食用色素
●FunToDo社製レジン専用顔料
FunToDo社製レジンに使用するときの推奨の使用量は1kgあたり約4mlですが、今回は200gに10-15滴で造形をしました。
使用する時は薄い色が良い時は1滴でも良いですし、「青・黄・赤・黒」を混ぜてお好みの色を作成することも出来ます。ただし、顔料を入れすぎるとレジンの感度が下がってしまうので注意が必要です。(入れすぎるとディティールが甘くなることがあります)
レジンを入れたらフィルムに傷を付けない用に柔らかいシリコンヘラでかき混ぜます。
(空のボトルで振って混ぜる方が、効率と材料の混ざりが良いです)
とても細かい粒子ですので手についたりした場合は非常に落ちにくので注意が必要です。
添加物無し(クリアの状態)での0.05mm積層でFlashForge Hunterでの造形条件は本体露光時間:1.3sですが
顔料によって感度が低くなっているため、顔料等を混ぜたレジンには「Fun To Do(Industry Blend)」のプリセット条件を使用します。
本体露光時間:1.5s
ラフト露光時間12.0s
時間勾配層:8
光強度100%
この条件でも脱落したり、ディティールが甘い場合にはレジンを足して薄めたり、露光時間を伸ばす/光強度を上げるなどが必要になります。
※上記条件執筆時の条件で現在の推奨条件は下記パラメーターを目安に造形ください。
本体露光時間 :2.5~3.0s
ラフト露光時間 :12.0s
時間勾配層 :8
光強度 :40
特に顔料によって洗浄性が落ちることはありません。出力後の樹脂ですが、無着色に比べて若干柔らかくなった気がします。この程度の濃さだとディティールへの影響は少ない印象です。
着色しても小さなデーターで不具合が出ること無く出力できました。(下記写真は0.05mm積層)
●食用顔料
次にケーキやクッキーな等の食品に用いる食用色素を追加して造形が出来るか検証してみます。
これが、使用できればレジンの安全性、色素の安全性を保ったまま使用する事ができます。
混ぜた印象はレジン専用顔料とは異なり、粒子が粗く混ぜている段階でも色素の粒が引っかる感覚があり沈殿も早いです。
レジン専用顔料と同様の「Fun To Do(Industry Blend)」のプリセット条件からラフトの時間を12.0s→15.0sに変更して造形です。(そのままだとラフトが落ちてしまいました)
本体露光時間:1.5s
ラフト露光時間12.0s→15.0s
時間勾配層:8
光強度100%
造形物のラフトにあるツブツブが色素の粒です、粒度が均一ではないようで造形物本体にはそんなにツブツブ感は気になりません。造形物はレジン用顔料と比べてディティールが若干甘くなっておりまた、柔らかく、サポートから千切れて離れてしまったり伸びたりしてしまっているので、運用にはモデル形状をしっかりと選ぶ事が必要です。
(露光時間/光強度を上げることで若干の改善は出来そうです)
●[参考]クラフト用のレジン用着色剤も利用が可能
株式会社エヌエスエスさん(@nssndt )の水洗いレジンに、名前の可愛さだけで買ってみた「宝石の雫」っていうレジン用着色剤を入れてみたよ。
クリアで分かりづらかった形状も色が付けばよく見える…けど多分ピンク以外のほうがもっと見やすい!可愛さに負けた!#Hunter pic.twitter.com/Y9lD5zeaws— 澤田 圭(キャラクターデザイナー) (@keisawada) 2019年5月2日
顔料等の追加は出力後のイメージを掴むのにとても便利ですが、下記の記事の様に一部ディティールが潰れてしまった際の対策にも有効です。
是非一度、出力のお手軽さとクオリティを度お試しください。
詳細→https://nssngt.com/news/740/
販売→https://nssngt.com/shop/products/list?category_id=9